最新【iPhoneユーザー向け】iOSアップデート後にeSIMが表示されない・認識しない時の対処法

旅行SIM

iPhoneユーザーにとって、年に一度のメジャーなiOSアップデートは、新しい機能が使えるようになる楽しみなイベントですよね。しかしその一方で、アップデート後に予期せぬ不具合が起きてしまうことも、残念ながら珍しくありません。

中でも、「eSIMが消えた」「圏外のまま認識しなくなった」というトラブルは、通話やインターネットという、スマートフォンにとっての生命線を断たれてしまう深刻な問題です。昨日まで当たり前に使えていたものが、突然使えなくなる。その瞬間の焦りや不安は、計り知れません。

でも、大丈夫です。多くの場合、eSIMの認識不良は、正しい手順で対処すれば元通りに復旧させることができます。

この記事は、そんな「まさか」の事態に直面してしまったあなたのための、トラブル解決ガイドです。パニックにならず、ここから一つずつ、落ち着いて原因を探し、解決への道を一緒に歩んでいきましょう。

なぜ?アップデートでeSIMが消えることがある、3つの理由

対処法に進む前に、まず「なぜ、こんなことが起きてしまうのか」を少しだけ考えてみたいと思います。原因を知ることは、闇雲に操作する不安を和らげ、冷静さを取り戻す助けになると私は考えています。

  1. 一時的なソフトウェアの不具合 iOSのアップデートは、人間で言えば大規模な“お引越し”のようなものです。たくさんのデータを新しいOS(家)へと移動させる過程で、ほんの些細なエラーが起き、一部の設定(荷物)が一時的に見失われてしまうことがあります。eSIMが認識されなくなる原因の多くは、この一時的な混乱によるものだと考えられます。
  2. ネットワーク設定の初期化 特に大きなメジャーアップデート(iOS 18からiOS 19へ、など)の際には、通信関連の設定が一部リセットされることがあります。これは、新しい通信規格などに対応するための仕様なのですが、その過程でeSIMのプロファイル情報がうまく引き継がれず、認識不良に繋がってしまうケースです。
  3. eSIMプロファイルの軽微な破損 非常に稀なケースですが、アップデートのプロセス中に、iPhoneに保存されているeSIMのデータ(プロファイル)自体に、ごく小さな傷がついてしまうことがあります。この場合、iPhoneはeSIMを正常なデータとして認識できなくなり、結果として「表示されない」という状態になります。

これらの原因のほとんどは、これからご紹介する対処法で解決できる可能性が高いものです。それでは、具体的な手順を見ていきましょう。

Step 1:まず試すべき「基本のき」。多くの問題を解決可能

どんなトラブルにも、まず試すべき「王道」の解決策があります。専門的な操作に入る前に、誰でもすぐに試せる、それでいて非常に効果的な基本操作から始めましょう。

【基本のトラブルシューティング・チェックリスト】

チェック項目なぜ、これが効くの?(私の考察)
1. iPhoneを再起動するこれは、あらゆる不具合解決の基本中の基本です。再起動することで、アップデート後に混乱していたiPhoneの頭の中(メモリ)が一度クリアになり、システムが正常な状態に戻ります。eSIMを再認識するきっかけとして、最も簡単で効果的な方法と言えるでしょう。
2. 機内モードをオン・オフする機内モードの切り替えは、iPhoneの通信機能だけを強制的にリフレッシュさせる操作です。圏外表示のまま電波を掴まない時など、通信関連の一時的な不具合に効果を発揮することがよくあります。10秒ほどオンにしてから、オフに戻してみてください。
3. 「キャリア設定アップデート」を確認するiOSアップデートと同時に、通信キャリア(docomoやau、SoftBankなど)も、新しいOSに合わせた「キャリア設定」というデータを配信することがあります。このアップデートがうまくいかないと、通信が不安定になる原因に。確認方法は簡単で、「設定」→「一般」→「情報」と進んで画面を開き、数秒待つだけ。もしポップアップが表示されたら、迷わず「アップデート」をタップしてください。何も表示されなければ、既に最新の状態です。
4. 「設定」アプリでeSIMの状態を再確認する「eSIMが消えた!」と思っても、実はオフになっているだけ、という可能性もゼロではありません。「設定」→「モバイル通信」を開き、「SIM」の欄に、お使いのeSIMの表示が本当ないか、もう一度ゆっくり確認してみましょう。

多くの一時的な不具合は、このStep 1の段階で解決することが期待できます。もし、まだ状況が変わらない場合は、もう少しだけ踏み込んだ設定の見直しへと進んでいきましょう。

Step 2:「ネットワーク設定のリセット」という選択肢

基本の操作で改善しない場合、通信関連の設定を一度リセットし、まっさらな状態からiPhoneに再設定させる、という少し強引な方法を試します。

【設定見直しのチェックリスト】

  • ネットワーク設定をリセットする

これは、Wi-Fi、モバイルデータ通信、VPN、APN設定など、iPhoneの通信に関する設定だけを工場出荷時の状態に戻す操作です。eSIMの認識不良を引き起こしている、目に見えない設定上の問題を根本から解消できる可能性があります。

【重要:リセット前の注意点】 この操作を行うと、保存されているWi-Fiのパスワードが全て消去されます。 ご自宅や職場など、よく利用するWi-Fiのパスワードは、あらかじめメモしておくなど、再設定できるように準備してから行ってください。eSIMや物理SIMのデータ自体が消えることはありません。

【操作手順】

  1. 「設定」アプリを開く
  2. 「一般」をタップ
  3. 画面を一番下までスクロールし、「転送またはiPhoneをリセット」をタップ
  4. 「リセット」をタップ
  5. 表示されたメニューから「ネットワーク設定をリセット」をタップ
  6. パスコードを入力すると、iPhoneが自動的に再起動します。

再起動後、eSIMが正常に電波を掴むか確認してください。Wi-Fiは再設定が必要なので、パスワードを入力して接続し直しましょう。この操作は、原因不明の多くの通信トラブルにおいて非常に有効な手段だと、私は経験上感じています。

Step 3:最終手段の前に。必ず行うべき「キャリアへの相談」

ここまでの全ての方法を試してもeSIMが認識されない場合、eSIMのプロファイルデータ自体に何らかの問題が発生している可能性が考えられます。

そうなると、次の手は「eSIMの再設定(再発行)」となりますが、その前に必ず行ってほしいことがあります。それは、契約している通信キャリア(docomo, au, SoftBank, 楽天モバイルや、ahamo, povo, LINEMOなどのオンラインプラン、その他MVNO)のサポートに問い合わせることです。

なぜなら、

  • キャリア側で通信障害が起きている可能性があるから。
  • あなたの回線に特有の問題が発生しているかもしれないから。
  • eSIMの再発行には、手数料がかかる場合があるから。
  • 自己判断でeSIMを削除すると、元に戻せなくなるリスクがあるから。

自分で「eSIMを削除して再インストールすれば直るかも」と判断してしまうのは、非常に危険です。まずは専門家であるキャリアに状況を説明し、指示を仰ぐのが最も安全で確実な道筋です。

問い合わせの際は、「iOSをアップデートしてからeSIMを認識しなくなったこと」「この記事に書かれているStep 2までの対処法は全て試したこと」を伝えると、話がスムーズに進むでしょう。

Step 4:キャリアの指示のもとで。eSIMの再設定、そして最後の手段

キャリアに相談した結果、「eSIMの再設定が必要」と判断された場合、その指示に従って操作を進めます。

  • eSIMの再設定(再発行・再アクティベート) 多くの場合、キャリアの会員ページ(My docomoなど)からオンラインで再発行手続きができ、新しい設定用のQRコードが発行されます。そのQRコードをiPhoneで読み込むことで、eSIMを再インストールできます。手順はキャリアによって異なるため、必ず公式サイトの案内やサポートの指示を確認してください。
  • iPhoneの初期化(本当に最後の手段) キャリアに相談しても解決せず、Appleのサポートからも「初期化」を勧められた場合、これが本当に最後の手段となります。iPhoneを工場出荷時のまっさらな状態に戻す操作です。

【警告:初期化は全てのデータが消えます】 この操作を行う前には、必ず、必ずiCloudまたはお使いのコンピュータ(PC/Mac)に、iPhoneの完全なバックアップを作成してください。 バックアップがなければ、あなたの写真や連絡先、アプリのデータは二度と戻ってきません。

バックアップを確実に作成した後、キャリアの指示に従ってeSIMプロファイルを削除(または保持)し、「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」から初期化を実行します。初期化後、バックアップからデータを復元し、eSIMが認識されるかを確認します。

今後のために。アップデートとの賢い付き合い方

最後に、未来のあなたが同じトラブルで悩まないために、iOSアップデートと賢く付き合うための心構えをいくつかお伝えしたいと思います。

  1. アップデート前には、必ずバックアップを これはもう、鉄則です。何が起きても「バックアップがあるから大丈夫」という安心感は、冷静なトラブル対処に繋がります。iCloudでもPCでも、やりやすい方で必ずバックアップを取る習慣をつけましょう。
  2. アップデートは、安定したWi-Fi環境で モバイルデータ通信でのアップデートは、通信が不安定になった際にファイルが破損するリスクを高めます。時間はかかっても、自宅などの安定したWi-Fi環境で、時間に余裕がある時に行うのが賢明です。
  3. メジャーアップデートは、少しだけ待ってみる? これは一つの考え方ですが、iOSのメジャーアップデートが公開された直後は、未知の不具合が潜んでいる可能性があります。すぐに飛びつかず、1週間ほど待って、世間の反応や不具合情報を見てからアップデートする、というのも有効な自衛策です。もちろん、セキュリティの観点からは速やかなアップデートが推奨されますので、ここはご自身の判断となります。

まとめにかえて

iOSアップデート後のトラブルは、誰の身にも起こりうるものです。しかし、正しい知識と手順さえ知っていれば、過度に恐れる必要はありません。

今回のようなトラブル解決のプロセスは、私たちが普段使っているiPhoneの仕組みを、少しだけ深く理解する良い機会にもなります。

問題を一つ乗り越えるたびに、あなたのデジタルライフは、より快適なものになっていくはずです。

この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、解決への一助となったなら、これほど嬉しいことはありません。


参照文献

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